軽い飲み会の席でのひとこと。
「なんか今年の新人はいいのがいないねー」
実力はあるのだけど、ポートフォリオ(作品ファイル)がいまいちのため
判断がしづらいという人が多いようです。
多くのゲーム・デザイン関係の会社は、まず提出された作品でよしあしを決めます。
入れる作品は基本的には「自分を演出できる」作品ならば、どんなものでも良いのですが、やはりある程度の決まりごとがあるようです。
もしゲーム会社(2Dグラフィック部門)に就職したい人がいるならば
参考にしてみてください。
必ずファイルに入れる作品
1.人物の全身が入った、背景つきカラー作品
2D部門はキャラデザインの仕事が非常に多いです。
表紙イラスト、ポスターイラストの依頼なんかも結構きます。
そのため、背景のある一枚絵が描けるか否かが重要なポイントとなります。
※背景がエフェクトのものはタブー。
2.人間以外の動物、または静物画
正直これは会社にもよりますが、動物(犬・猫・馬・鳥など)が描ける人は注目されます。
デザインチックのよりはリアルタッチのものが好まれます。
3.三面図
キャラクターデザインは、人物の正面・背面・側面の三方向を描きます。
三面図はどの方向からもキャラを描けるアピールにもなりますし、実際の仕事と同じ内容なので採用の基準にもなるようです。
4.愛のこもった作品
自分が一番得意かつ好きなものを数点ほど。マニアックでもいいんです。
面接時に話題にすれば更に好印象。
自分も愛全開の小動物絵を数点入れてました。
できれば入れておいたほうが有利な作品
1.学校の課題以外の作品
正直、面接官の人は課題作品には見飽きています。
同じような作品ばかり並べられては、よほど注目する点が無ければ見向きもされません。
2.実際に仕事をした作品
仕事を請けて描いた作品は、実際に就職についてからその仕事やりこなせるかどうかの目安にもなります。
全く方向が違うものではなく、出来れば希望する職種にそった作品が好まれます。
3.タッチの違う作品
水彩風、セル塗り、厚塗りなど、色んな作風が描けることのアピールになります。
特にCGイラストはそのツールが使えるということでかなりの強みです。
避けた方がいいもの
1.塗る前の線画
そうとう線に自信がない限り、未完成作品として評価されます。
特に背景のない人物のみや表情のみといった、完成度の低いものはかなり損かも。
2.同じようなものをたくさん載せる
2〜3種類づつ、計20〜30枚あれば充分です。
24枚入りクリアファイル1冊全部に作品を載せるぐらいがいいみたいです。
サイズもA4ぐらいがベスト。B2の大きさのパネルに馬を描いてきて提出したなんていう伝説があるけど…まあ、それは例外ですネ。
3.クロッキー
1と同じく、相当自信がないと逆にマイナス。
4.USBメモリ・CD-ROMのみでの提出
オンラインはともかく、郵送や手渡しの場合は作品はプリントアウトして提出したほうが良いです。
そのメディアを再生出来るとは限りませんし、面接側の手間がひとつ増えますので…
また、ファイルの見せ方にもコツがあるそうです。
最初に気合のこもった作品を載せて、まず興味をもたせる。
↓
得意なタッチで描いたものを数点載せる
(5枚で見るのを止める人もいるので最初が勝負)
↓
画風の違うものを載せて、違う切り口もアピール
↓
ラストの〆として、完成度の高いものを載せる
選考漏れをしている人の作品をちらりと拝見させてもらったことがありますが、総じて最初が甘い人が多かったです。
どんなに良いものがあったとしても、まずは見てもらわないことには始まらないので、やはり最初のアピールが大切ですね。
就職活動を始める(または活動最中の)皆様、頑張ってください。
補足作りました→
http://atelierdolly.jugem.jp/?eid=362