前回の続き、SAIでのペン入れの流れを紹介します。
SAIでのと言っても、この作業は紙での作業とほぼ変わりません。
紙がタブレットに、鉛筆(Gペン)がタブレットペンに変わっただけです。
特に私の場合、アニメーション動画のクリンナップ作業が延長線上にありますので、細く一本の均一な線で描く技術となります。
この線はセル塗りの絵には相性が良いのですが、油絵風や水彩風の塗りにはあまり相性が良くありません。
ですので、油絵タッチ(いわゆる厚塗り)を得意としている・またはそれらを目指している方は参考程度にとどめておいてください。
線を引くときの基本
まず、線をなぞる際に。
自分がどの線の引き方が得意か覚えておく必要があります。
下の画像の円を、あなたはどこから描くでしょうか?(※左利きの人は、左右を反転して考えてください)
- 上から左回りに
- 下から左回りに
- 上から右回りに
- 下から右回りに
人間の体の構造上、1番か2番が描きやすいと思います。
描きやすい方向を見つけたら、線を引くときはずっとその角度を維持させます。
SAIですと、「回転角度」で、簡単に好きな角度にキャンパスを回転させられますので、くるくる回して得意な角度を探してみてください。
ただ、あまり線をひくのに慣れていないと、得意な角度であっても線ががたついてしまいますよね。
その場合は、手ぶれ補正の数字をあげて、がたつきを補正してもらうと良いです。
数字が大きければ大きいほど滑らかな線が描けます。
ただし、あまり補正に頼ってると上達しませんので、最終的には補正は0にしておくのが理想です。
長い線を引く場合
長い髪やリボンなど、1度に引くのが難しい線があると思います。
理想はそれらも一気に引いてしまうことなんですが、そうそう身に付く技術ではありません(てか、私には無理です)
苦手な角度で無理に引いても綺麗な線は出来ません。
ですが、途中で止めるとがたつきがでてしまいます。
(マーカーやサインペンで線を引くのを想像してみてください)
途中でつなげる線を引く際は「入り」と「抜き」を覚えておくと良い感じです。
入りと抜きについての動画
http://www.youtube.com/watch?v=DjcQp_mrd6g
途中で線をつなげたくなったら、徐々に線を細くしていき(抜き)、新しく線を引くときは徐々に太くしていきます(入り)。
入りと抜きは、髪の着色や線の強弱にも応用できるので、覚えておくと色々便利です。
線を引くときの心がけ
線を引く際「今、○○を引いているんだー」と心の中で念じながら引いています。
髪を引く際は、針金のように細く細く。
服は素材やしわの流れや立体を想像しながら。
肌は柔らかくも印象深くもたせるために、少し太めに強弱をいれて。
まあ、半分以上は縮小する段階でつぶれちゃうのですが、心がけながら引くのと、ただなぞるのとでは大きな違いが出てくると思います。
その次の作業(塗り)が少しでも楽になるように、線画の段階で補完していく感じでしょうか。
一通り線を引き終えた図(原寸)
※クリックすると大きな画像がでます。
手を抜いている部分と気を使っている部分が露骨に現れてますね(爽)
後は色塗りになりますが、塗りはphotoshopでぺたぺた塗っておりますので、ここでSAIでの作業は終了となります。
殆どソフトの技術とは関係ありませんが、大抵のペン入れに応用できるやり方だと思いますので、心の片隅にでも入れておいてもらえると幸いです。
てかまあ、普通にアニメーターが最初に覚える基本的なことばかりなんですけどネ。
なぎさといいます。
SAIのメイキング、初心者の私にとってすっごい役に立ちました!
ありがとうございました!
でも分からないことがいっこだけ・・
ペンの入りと抜きの設定?ぽいことがよく分かりません・・
できればもう一回具体的に教えていただけると嬉しいです・・